糖尿病は遺伝的背景をもとに生活習慣の乱れにより発症する病気です。
日本人6人に1人が糖尿病といわれており、国民病の代表疾患と考えられています。
特に日本人は欧米人と比較して、膵臓からのインスリン(血糖値を下げる唯一のホルモン)分泌能が低いことにより、それほど肥満していなくても糖尿病を発症することが知られています。
多くは生活習慣に関連した2型と呼ばれるタイプですが、免疫異常によりインスリン分泌ができなくなる1型、ステロイド薬などによる薬剤性、妊娠にともなう妊娠糖尿病などのタイプもあり、病態に合わせた適切な治療が必要になります。
糖尿病は万病のもと
糖尿病は血糖値が高くなることにより様々な臓器に合併症を引き起こします。例えば、糖尿病による腎障害(腎症)は透析原因の第1位であり、眼の障害(網膜症)は失明の原因になります。糖尿病による神経障害では手足のしびれや痛みのため生活に支障がでることがあります。
また、動脈硬化を引き起こすことにより、心筋梗塞・狭心症・脳卒中の原因にもなります。最近、糖尿病は血管の病気だけでなく、骨粗しょう症、認知症、歯周病、足病変・壊疽など様々な病気のリスクになることが明らかとなっています。
すなわち、糖尿病は全身の臓器に影響し、多彩な疾患を引き起こす『万病のもと』と認識されています。
したがって、糖尿病診療は血糖値やHbA1cの測定だけではなく、併存疾患や全身合併症についても評価し、包括的に治療に当たる必要があります。
当院の目指す糖尿病診療
残念ながら現在の医療で糖尿病が治癒することはありません。しかし、糖尿病は生活習慣の改善と薬物治療でコントロールすることが可能です。
長期的に、適切に糖尿病の管理をすることにより糖尿病合併症を予防し、患者様の健康寿命の延伸、生命予後の改善を目指すことが私たちの重要なミッションです。
最近の医学の進歩は目覚ましく、抗糖尿病薬の開発が相次いでいます。
一方、適切な治療薬を適切な患者様に使用しなければ、逆に副作用により生活の質や生命予後を悪くする危険性があります。
また、糖尿病のような生活習慣病は患者様に寄り添う姿勢がないと成り立たないのも現状です(糖尿病治療の主役は患者様自身です)。
私どもの使命はこれまで培ってきた専門医としての知識・技量をもとに、最新の糖尿病診療を常にアップデートし、患者様に提供することです。
患者様ひとりひとりのメディカルニーズに合わせた寄り添う診療で、患者様の人生のサポートをしていきたいと考えています。
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