家族性高コレステロール血症

家族性高コレステロール血症とは遺伝子変異のために高LDLコレステロール血症をきたし、早発性冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)を発症する病気です。
ヘテロ接合体とホモ接合体のタイプに分類され、常染色体優性遺伝の形式で遺伝するため、両親のどちらかがヘテロ接合体家族性高コレステロール血症であれば、子供の2人に1人はその遺伝を受け継ぐことになります。
ホモ接合体は著明な高コレステロール血症を呈する稀なタイプであり、指定難病に認定されています。一方、ヘテロ接合体は200~500人にひとりと高頻度に存在するといわれており、島根県内にも多くの患者様がいることが想定されます。
通常の高LDLコレステロール血症と家族性高コレステロール血症は管理指針が異なるため、きちんと診断をすることが重要です。
しかしながら、多くの家族性高コレステロール血症患者様が適切な診療を受けずにいる可能性も指摘されています。
家族性高コレステロール血症を疑うのは?
遺伝子の病気のため、生活習慣に関わらず若い時から高LDLコレステロール血症が認められます。
また、ご家族の方にも同様に高LDLコレステロール血症がある場合や、ご家族に若くして冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)を発症した方がおられる場合には家族性高コレステロール血症である可能性があります。
診断は採血と診察、問診、エックス線撮影などで行いますが、ときに診断が難しく長期的な経過観察により診断することもあります。
したがって、家族性高コレステロール血症の診断には専門的な知識と経験が必要になります。
また、家族性高コレステロール血症は飲み薬の治療だけでは不十分なことがあり、その場合には注射薬が必要になります。
その際には専門医による診察が必要になります。
当院の目指す家族性高コレステロール血症の診療
当院は、山陰唯一の動脈硬化専門医・指導医による診療をうけることができるクリニックです。
また、日本動脈硬化学会より家族性高コレステロール血症の紹介可能な施設として認定を受けています(予定)。当院では、これまでの家族性高コレステロール血症の患者様の豊富な診療経験をもとに、ガイドラインに沿った適切な診療を行います。  
家族性高コレステロール血症は遺伝子の病気であるため、生涯にわたり治療が必要になります。
また、ご家族の検査や治療も必須です。家族性高コレステロール血症はきちんと診断され、適切な治療を受ければ病気のリスクを減らすことができます。
当院では患者様だけでなくご家族様も含めて包括的な診療を心がけています。
ご家族の方にLDLコレステロールの高い方や動脈硬化の病気をされた方がおられれば、お気軽にお声がけください。
動脈硬化を未然に防ぎ、生涯にわたって活き活きとした生活を過ごしていただけるように、私たちは家族性高コレステロール血症の患者様とご家族の治療をサポートしたいと考えています。