【杉本利嗣先生を偲んで】

私の恩師である杉本利嗣先生が令和2年10月24日(土)にご逝去されました(享年66歳)。

杉本先生が2004年に島根大学医学部内科学第一教授に着任されてから、骨代謝、内分泌学はもとよりphysician scientistとしての考え方、時には私事についても多くのことをご教授いただいてきました。教授退官後も学会の要職を務め、精力的に医学会のためにお仕事もされていただけに、この度の訃報は驚愕であり言葉にできないほどの悲しみで一杯です。

私にとっては、大学院時代に研究のイロハを教えていただき、海外留学、帰国後においても研究指導だけではなく、学会活動でもたくさん支えていただきました。今の私があるのは杉本先生のおかげです。これから杉本先生の教えを基に、島根県内の骨粗鬆症診療、糖尿病診療を充実させるため、まだまだ杉本先生のお力をお借りし、良い結果を報告したいと思っていましたが、それも叶わず痛恨の極みです。

杉本先生はこれまで後進育成のために尽力され、島根県内の骨粗鬆症を代表とする骨代謝疾患の診療の礎を築かれました。学会でも数々のガイドラインの作成やマネージメントに関わられ、私も「生活習慣病骨折リスクに関する診療ガイド2019年版」の作成で事務局長として参画させていただき貴重な経験をさせていただきました。島根県内のみならず全国のたくさんの患者様が杉本先生のお仕事により助けられてきたと思います。

悲しい思いは言葉にできない程ですが、杉本先生からご教授いただいたことを育て、広めていくことが残された我々ができる唯一の恩返しだと思います。

「常に焦らず、腐らず、怠らず、自分の魂を磨き、前進を続ける」

いつの日か胸を張って杉本先生に報告できるように、杉本先生の座右の銘を心に引き続き頑張ってまいりたいと思います。

心よりご冥福をお祈りいたします。

杉本利嗣先生、本当に本当にありがとうございました。

謹言

かなざわ内科 糖尿病・骨粗しょう症クリニック

院長 金沢一平